敦賀直通は14往復 北陸新幹線の延伸開業日が決定 東京〜福井2時間台に 在来線も大変化

JR西日本とJR東日本は、北陸新幹線の延伸区間である金沢駅〜敦賀駅間の開業日を2024年3月16日(土)に決定し、これに伴い新幹線や特急列車の運転区間や本数、所要時間を再編します。

芦原温泉駅で2023年5月27日(土)に開催された北陸新幹線金沢駅〜敦賀駅間のレール締結式(福井県Webサイト「北陸新幹線レポート」第18号から引用)
芦原温泉駅で2023年5月27日(土)に開催された北陸新幹線金沢駅〜敦賀駅間のレール締結式(福井県Webサイト「北陸新幹線レポート」第18号から引用)

速達「かがやき」は9往復…停車駅は?

鉄道・運輸機構(JRTT)が主体となって2012年(平成24年)6月に着手した同区間の建設工事はほぼ完成しており、2023年5月27日(土)に芦原温泉駅でレール締結式が執り行われました。現在は、運行主体となるJR西日本と共同で、新幹線が安全に走行できるかを確認する鉄道施設の監査・検査が進められています。

9月23日(土・祝)にはJR東日本が所有する検測用の新幹線車両「East-i」が、9月26日(火)にはJR西日本の営業車両「W7系」がそれぞれ初めて延伸区間に入線します。夜間を中心に1日1往復程度、低速度から開始して段階的に速度を上げる走行試験が行われれます。また、W7系が日中に走行する10月1日(日)には、福井市など沿線自治体による「W7系電車入線イベント」が開催されます。

開業日の正式決定とともに、運行ダイヤの概要が公表されました。敦賀駅から東京駅まで直通する列車は1日14往復で、そのうち速達タイプの「かがやき」は9往復、停車駅の多い「はくたか」は計5往復です。

途中の福井駅には「かがやき」「はくたか」ともすべての列車が停車します。一方、小松駅、加賀温泉駅、芦原温泉駅と越前たけふ駅については通過する列車があり、東京直結列車の停車本数は各駅で1日7往復にとどまります。

最速達列車を利用した場合の所要時間は、東京駅〜福井駅間が現在より36分短縮され2時間51分に、東京駅〜敦賀駅間は50分短縮の3時間8分となります。金沢駅での在来線との乗り換え解消により、首都圏から石川県加賀エリアや福井県へのアクセスが大幅に改善されます。

(敦賀駅延伸開業後の北陸新幹線の運転本数と停車駅パターン、在来線特急列車との接続など詳細は下の図表を参照)

【路線図で解説】敦賀駅延伸開業後の北陸新幹線の運転本数と停車駅パターン、在来線特急列車との接続

「サンダーバード」「しらさぎ」は敦賀止まりに短縮

並行在来線となる北陸本線の敦賀駅〜金沢駅間は、運営主体がJR西日本から第三セクターの「IRいしかわ鉄道」「ハピラインふくい」に移管されます。これに伴い、同区間ではすべての特急列車が運行を終了します。関西・中京〜北陸間の移動における特急列車と北陸新幹線の結節点は金沢駅から敦賀駅へと移り、乗換利用を基本とした輸送体系へと大きくシフトします。

新幹線の敦賀駅〜金沢駅・富山駅間には、東京方面に直通運転しない「つるぎ」が設定されます。そのうち25往復は、大阪駅方面の特急「サンダーバード」と、米原駅・名古屋駅方面の特急「しらさぎ」に敦賀駅で接続します。各方面への分岐点となる敦賀駅は、新幹線ホームの直下に在来線の特急専用ホームが設けられ、短い移動距離でスムーズに乗り換えられるよう配慮されます。

現在は「サンダーバード」一本で移動できる大阪駅〜金沢駅間ですが、延伸開業後は敦賀駅で北陸新幹線「つるぎ」との乗り換えが必要になります。それでも、所要時間は最速達の場合で22分短縮され、2時間9分となります。同様に名古屋駅〜金沢駅間も、東海道新幹線と「しらさぎ」、北陸新幹線と乗り継ぐと2時間9分で到達できるようになり、現在より16分短縮されます。

なお、米原駅〜金沢駅間で運転している早朝・深夜の「しらさぎ」各1本については、北陸新幹線と接続できない時間帯となることから全区間が運転取り止めとなります。また、現在は大阪駅〜和倉温泉駅間を直通運転する「サンダーバード」が1日1往復設定されていますが、系統分離に伴い金沢駅〜和倉温泉駅間のみ運転の特急「能登かがり火」へと置き換えられます。

敦賀駅〜金沢駅間で運転している特急「おはようエクスプレス」「おやすみエクスプレス」と、福井駅〜金沢駅間の特急「ダイナスター」は、ダイヤ改正前日の2024年3月15日(金)をもって設定廃止となります。

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